2020/01/20 01:12

最近出会ったプロダクトの中で一番心を動かされたモノ、それがグローブ・トロッター(globe-trotter)のラゲッジです。

実物に触れるまで、価格が高くて防水性もあまり無くて、なんとなくレトロな製品なんだろうなくらいのイメージで、懐に余裕があれば欲しいものの一つという感じだったのですが、実際に目の前で製品を見て生活の中で使ってみると、これはなんとまあここまで自分の嗜好に合うんだろうか!との驚きの製品だったわけです。

言ってしまえば私の偏愛する革靴や革小物、鞄と共通する愛おしさです。

要するに最新の機能性は無い、手入れをしないと拗ねられる、水にも弱い…
だけれども、手入れをしてやれば最高の輝きを年と重ねるにつれて放ち出し、自分と一緒に年を取れるモノだったわけです。

グローブ・トロッターのラゲッジはヴァルカンファイバーという紙由来の特殊な素材で作られているのですが、これがまた見た目といい触り心地といい経年変化の具合といい見事なものなのです。絶妙な光沢感、触った時のほんのり凹凸のある、たわみを感じるしなやかさ…

ぜひ一回触ってもらえればわかると思うのですが、買ってみても絶対ハズレはないです。モノを育てることが好きな人、飽きずにずっと同じものを使いたい人にはこんないい製品はないと思います。

もちろんアメリカやドイツや日本の最新のスーツケースには機能性もコストパフォーマンスも敵いませんが、物語の中で空想を楽しみながら旅をしたい人には、ある時は不便も感じながらこのラゲッジを使っていただければなあ、と思います。

イギリスの製品に特別な愛着がある訳では無いんですが、トリッカーズとかマッキントッシュとかデンツとか、結局イギリスのプロダクトは手元にずっと残りますし、年を取るごとにずっと愛着が増してくるから不思議なものですね。