2020/02/23 23:41
あらゆるものが溢れかえる世の中、だけれどもモノに携わることやモノを作ることに本能的に惹かれた人々にとって、現在は往時と違い世界中のあらゆる競争相手に晒されています。製品の高品質を担保することや販促戦略で相手を出し抜くためには巨大資本の傘下にあることが一つの必須条項であるかのような様相ですらあります。
ですから、ガレージから創業してある程度の成長を描くというよく聞いた製造業の成功物語のはかつてほど現実味があるようには見えないことも事実でもあります。だからと言って今後夢は無いのか?と言われると決してそうでは無いでしょう。
生きることはモノと関わることです。生き方自体の暗中模索とも言える現代の世の中で、だからこそかつてないほど、厳密にモノを生み出す意味を問い直されているのでは無いか、モノへの関わりに新たな価値観を創造するチャンスでもあるのではないかと感じるのです。
モノが創造され与えられることで価値観を変える、変えられるという19〜20世紀的な現象はもしかすると少なくなるかもしれませんが、新たな価値観や考え方という大きな潮流の下でモノづくりに関わる諸事が定まり、もはや直接的に製造するだけがモノづくりではない、という時代が来るでしょう。
「モノつくり」という概念自体が拡大解釈され、良いものを選び取る、という思考形態を「つくる」ことはモノつくりの主要な役割になりうるかもしれません。時代が変わり悲観的に世を儚むことはいとも簡単なことですが、こういう時代だからからこそ新しい創造の喜びを最大限に感じることができる良い機会でもあると思うのです。