2023/03/13 22:34

塩は、海水や地下水から採取される自然塩、岩塩や天然湖などから採掘される鉱塩、または化学的な処理を経て生成される工業塩など、いくつかの方法で製造されます。以下に、主な塩の製法について説明します。


■自然塩の製法
海水を浅い池に貯めて太陽に当て、水が蒸発すると濃縮された海水が残ります。この濃縮された海水を、風によって乾燥させて塩を得ます。この方法は、古くから行われている方法で、日本でも「しお作り」として知られています。

■鉱塩の製法
岩塩や天然湖などから、採掘や掘削によって塩を採取します。得られた塩は、洗浄や選別、乾燥などの工程を経て出荷されます。また、鉱塩から化学的に精製された精製塩もあります。

■工業塩の製法
工業塩は、海水や地下水などから得られた原料を、化学的な反応によって生成する方法が一般的です。この方法では、塩化ナトリウムなどの原料を使い、電気分解や化学反応などのプロセスを経て塩を製造します。

日本における製塩の歴史は古く、古代から行われていました。以下に日本での製塩の歴史を簡単にまとめます。

■古代
日本の製塩の歴史は、古代にまで遡ります。当時は海水を蒸発させる「干し塩」が主流でした。製法は、海水を容器に入れて自然蒸発させるか、竈で加熱して蒸発させる方法がありました。干し塩は、塩分濃度が低く、形状も不規則で粗いものが多かったとされています。

■平安時代
平安時代に入ると、干し塩に代わり、和歌山県や愛媛県などで「坊塩」が生産されるようになりました。坊塩は、大きな鉄釜で海水を加熱して作る方法で、塩分濃度が高く、精製度も上がりました。この時代には、塩の生産地として有名な「塩見」という地名が生まれました。

■江戸時代
江戸時代に入ると、日本全国で製塩が盛んに行われるようになりました。江戸時代初期には、坊塩に代わって「天日塩」が生産されるようになりました。この塩は、干し塩と同様に太陽光を利用して海水を蒸発させる方法で作られました。天日塩は、風味が良く、火加減によって様々な色合いを持つことができました。

■明治時代以降
明治時代に入ると、西洋の製塩技術が日本に伝わりました。それまでの製法よりも高度で効率的な方法が取り入れられ、塩の生産量が増加しました。現在の日本でも、いろいろな方法で製塩が行われていますが、天日塩や岩塩、海塩など、伝統的な製法で作られた塩が人気を集めています。